Webサイトを運用する際に重要な指標となる「アクセス解析」ですが、何をすれば良いのかいまいち正確に理解できていないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、アクセス解析の基本ポイントからサイトの課題を発見する方法までを解説します。アクセス解析の使い方を理解し、効果的なサイト改善につなげてください。
目次
アクセス解析とは
アクセス解析の定義
アクセス解析とはWebサイトの売上やCV等につながる課題を発見するために、サイト運営者がサイトに訪れるユーザーの行動や属性を分析することを指します。属性とは、性別、年齢、興味関心、地域など、ユーザーが持つ特徴を分類したものです。
サイトに訪れている人がどのような人なのか、どんな状況でアクセスしているのかなどといった情報を把握することとも言えます。
アクセス解析を行う目的
アクセス解析の目的はコンバージョン(CV)数を上げるためのサイト課題を見つけることです。
コンバージョン(CV)とは、webサイト上でユーザーが商品購入や問い合わせなどの特定の行動を完了した状態を指します。例えば、ECサイトなら商品購入、BtoB企業であれば問い合わせや資料請求など、CVはサイトによって異なります。
アクセス解析はサイトの閲覧数やユーザーの数を知ることが目的なのではなく、それらの指標を用いて、サイトのCV数を上げるためにどこを改善すればよいのかを理解するために行います。
毎月レポーティングをして数字を見るだけで満足してしまうWeb担当者さまが多く見受けられます。しかし本来の目的はCV数をアップさせるための課題を発見し、改善策を考え実行すること。そのために数字を見るという考え方を徹底させましょう。
アクセス解析で分かること
アクセス解析ではサイトに訪れるユーザーの行動や属性を知ることができると先述しましたが、それが分かるデータとしては主に以下のものがあります。
・ユーザーがどこからサイトを訪問しているか(検索、広告、外部リンクなど)
・ユーザーが最初に訪れたページはどこか
・ユーザーがどのページで直帰(最初に見たページでサイトを離れること)したか
・ユーザーによく見られているページはどこか
・ユーザーがどこでCVしているか
・ユーザーがどのページでサイトを離脱したか
これらのデータを掛け合わせて分析することもできます。例えば、どんな性別のどこから来たユーザーがよくCVしているか、などを分析することもできるのです。
おすすめツール:Googleアナリティクス
アクセス解析は、通常アクセス解析ツールを用いて行います。
アクセス解析ツールを使えば、前述のようなサイト訪問者の特性や行動を知ることができます。
アクセス解析ツールは様々なものがありますが、「Googleアナリティクス」が最もおすすめです。
Googleアナリティクスは、Googleが基本無料で提供しているアクセス解析ツールです。
無料であるにも関わらず、トップクラスの機能性を誇り、日本の上場企業の75%が導入しているとも言われます。
Googleアナリティクスのメリットは、初心者の方でも分かりやすく、中上級者の高度な要求にも対応できるレポート画面やGoogle AdWords、Google AdSenseなどGoogleの他のWebマーケティングツールと連携ができる点が挙げられます。また、メジャーなツールのため、関連書籍はもちろんセミナーや関連ツールも多岐にわたります。情報が世の中に多いため、困ったときに解決しやすいという点もメリットと言えるでしょう。
アクセス解析ツールは様々なものがありますが、まずはGoogleアナリティクスで分析を始めることをオススメします。
アクセス解析をする前に
アクセス解析を始めてもすぐにサイトの課題が見つかるわけではありません。アクセス解析をする前にいくつか準備すべきことがあります。
サイトの目的を明確にする
まずはサイト内で達成したい目的(CV)を設定する必要があります。
先述した通り、サイト内のCVは様々です。自分のサイトはどこをCVポイントとするのかを決める必要があります。例えば、ECサイトであれば商品購入、BtoB企業であれば問い合わせや資料請求などが該当するでしょう。それぞれの目的によって、アクセス解析で分析すべき箇所は異なりますし、改善施策も変わってきます。
目的が明確でないと誤った施策を行う可能性があります。例えば、サイトのアクセス数を改善したのにも関わらず、肝心のコンバージョンに全く繋がらないというケースは多くあります。
Webサイト内でユーザーにどんなアクションをして欲しいのかを明確にした上で、アクセス解析を始めると良いでしょう。
アクセス解析の専門用語を理解する
アクセス解析を行う際は、基本的な用語について理解しておく必要があります。ここではGoogleアナリティクスで頻出する用語について解説していきます。
セッション
セッションとはユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの一連の流れのことです。アクセスしてからWebサイトを離れるまでが「1セッション」となります。
同じユーザーでも、一度Webサイトを離れた後に再度訪問した際などは、セッション切れとなり別のセッションに切り替わります。セッション切れについてはGoogleがこのように定義しています。
・キャンペーンの切り替わり:キャンペーンソースが変わると、次のセッションが開始される
ユーザーが同じWebサイトで、一定時間行動しない場合は「離脱」とみなされ、セッション切れとなります。そのため、再度間隔をあけて再びWebサイト内のどこかクリックした場合は新たなセッションになるということです。
ユニークユーザー(UU)
ユニークユーザーとは、Webサイトの訪問人数のことを指します。同じ人が何度Webサイトを訪問してもユニークユーザーは「1」です。
ただし、同じ人がPCとスマートフォンなど、別のデバイスでアクセスした場合のユニークユーザー数は「2」になります。
ページビュー数(PV)
ページビュー数とは、Webページの閲覧数のことです。同じユーザーが10ページ閲覧した場合も、10人が同じ一つのページにアクセスした場合も「ページビュー10」となります。
ページ/セッション
ページビュー数をセッション数で割った数字のことです。
1回の訪問(セッション)あたり、ユーザーが平均してどれだけのページを閲覧しているのかを知ることができます。
平均セッション時間
平均セッション時間とは、1回のセッションあたりユーザーがWebサイト内に滞在している時間のことを指します。長く滞在してもらえるほど、ユーザーにとって魅力のあるWebサイトであるという目安になります。
Googleアナリティクスでは、ユーザーが1セッションで最後に見たページ(離脱ページ)は、セッション時間の集計から除外されてしまうので注意が必要です。
ランディングページ(LP)
ランディングページとは、Webサイトに訪れたユーザーがセッションの中で一番最初にアクセスするページです。
LPはWeb広告で主に用いられる、訪問したユーザーにCVを促すために作られたページを指す場合もあります。両者を混同しないように注意が必要です。
直帰率
直帰率とは、Webサイトに訪問したユーザーが何のアクションもせずにそのまま離脱してしまう割合のことを指します。
直帰率はページごとにセッション数÷直帰数で計算されています。
直帰率が高いページはサイト上で問題が生じているケースが多いため、課題ページとなることが多いです。直帰率が高い要因として以下が考えられます。
・表示速度が遅く、ページがすぐに閲覧できなかった
・見づらい、誤字・脱字が多い
直帰率は、サイトのタイプ(ECサイト、メディアサイト、LPサイトなど)や業界、流入元(どこからサイトへ訪れたか)によって数値は様々ですので、「〇%以上であれば直帰率が高い」とは一概にいえませんが、自サイトの他のページと比較して直帰率が高い場合や、急に直帰率が高くなってしまった場合などについては原因を検討し改善する必要があります。
アクセス解析の活用方法
導入方法
Googleアナリティクスの導入作業は以下の手順で行います。
1.Googleアカウントの取得
まずはGoogleアカウントを用意しましょう。
Gmailなどで既にアカウントがある場合はこのステップは不要です。
Googleアカウントを作成する
2.Googleアナリティクスの開設
Googleアナリティクス用のアカウントも取得します。
分析したいWebサイトのURLを入力し、トラッキングコードと呼ばれるコードを取得します。
3.トラッキングコードを設置
トラッキングコードをWebサイト全体のHTMLに組み込みます。
それが読み込まれることでGoogleアナリティクスでアクセス解析ができるようになります。
HTMLに組み込むというと難しいですが、簡単にGoogleアナリティクスを導入でるように工夫されているものが多いので、ぜひ試してみてください。
課題を見つけるためのポイント
Googleアナリティクスにはいくつもの項目があります。ここではサイト改善につなげる際に見るべきポイントをご紹介します。
ユーザーの使用デバイス
「ユーザー」→「モバイル」→「概要」とページを開けば、ユーザーが使っているデバイス(PC、スマホ、タブレット)の分析ができます。
例えばスマホからの訪問者が多い場合、スマホ対策に力を入れるなどの施策を考えることができます。
ユーザーの訪問方法
「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」を開けば、ユーザーがどこからサイトに来たのかがわかります。
Organic Searchからの訪問が多ければホームページが上位表示されているということですし、Paid Searchであれば、広告から訪問していることを指します。どこから来たのかを知れば、それに合った対策を考えやすいでしょう。
ユーザーの行動フロー
「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」でサイト内でユーザーが「どのページからどのページに移動したか」といった行動分析ができます。
また「ランディングページ」ではユーザーが最初に来た入り口となるページを確認できます。
ランディングページはユーザーがサイトの閲覧を続けて最終的にCVにつながるかどうかの重要なページです。滞在時間やよく見られているページを把握することで、どのページを改善すべきか見えてくるでしょう。
基本的に多くのユーザーが訪問するページから改善しますが、もし訪問数が少なくてもCV数やCVRが高いページがあれば、広告やキャンペーンなどでそのページに誘導するなど、対策の方法は様々です。
アクセス解析でサイト改善が上手くいかない場合
「アクセス解析を試したもの、成果が出なかった」
「サイトの課題は分かったが、どのように改善していいかわからない」そんなWeb担当者さまも少なくありません。
その際の解決手段として、第三者の企業と協力してサイト改善を進めたり、自動アクセス解析ツールなどでサイトの課題を特定したり、サイト改善を進めることも可能です。
第三者の客観的な視点を取り入れ、今まで気づかなかったサイトの改善ポイントがCVに大きな影響を与える場合もあるため、アクセス解析でサイト課題や改善方法が分からない場合や、より効率的に行いたい場合の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
本記事ではアクセス解析の目的や、アクセス解析のポイントについて解説してきました。
アクセス解析とは、サイトの課題を発見し、改善施策を実行するということを繰り返し行うことに意味があります。一度きりの施策で終えてしまったり、分析レポートを作成して終わりでは何の意味もありません。
アクセス数は増えたのに、なかなかコンバージョンにつながらない、CVRが下がってきた、などの対処にも小さな改善を積み重ねることが必要です。
ウィルゲートでは、SEOだけではなく、アクセス解析やサイト改善の支援も行っています。
自社サイトはどのように改善すれば良いの?今より効率よく施策を行いたい!などの質問やご要望に関して、お気軽にご相談ください。