少ないリソースで質の高いユーザーを集客するためのSTP分析<基礎編>

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マーケティング手法には様々なフレームワークがありますが、今回はそのなかでも基本のひとつ、STP分析について解説します。STP分析は3C分析、4P分析などと同じように、事業戦略やマーケティング戦略を構築するうえで非常に有効なアプローチですので、ぜひマスターしてみてください。

はじめに:市場を見極めることの重要性

STP分析とは

STPは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字から取った略称です。STP分析では以下を設計します。

■提供する商品・サービスの市場(=顧客)を細分化する(=セグメンテーション)
■商品・サービスのターゲットを定める(=ターゲティング)
■自社の立ち位置を明確にする(=ポジショニング)

言うまでもなく、市場は常に変化しています。顧客ニーズそのものの変化はもちろん、ライバル会社の新規参入、物価などの経済情勢など市場を変化させる要因は多岐にわたっています。

市場が変化するということは、自社の商品・サービスの価値に対する顧客からの評価も変わるということです。こうした市場の変化に対応していく、あるいは新たな市場を開拓していくためには、的確に“現在”の市場構造を把握したうえで、PRする内容や方法を吟味していくことが重要になります。

STP分析は、「現在、どのような立ち位置から、ターゲットのいる市場に対してどうPRしていくことが効果的か」ということを考えるフレームワークになります。こうしたフレームワークを活用することで、プロモーション費用を最低限に抑えつつ、ターゲット顧客に向けて最適なアプローチができ、着実に効果を伸ばしていくことが可能になります。

一般的にSTP分析は新商品の開発や新たな市場に参入する際に用いられることが多いですが、既存の商品・サービスにおいても、改めて分析を行うことで、プロモーション計画の見直しに役立つ効果が期待できます。

なお、STP分析によるマーケティングは「絞り込みマーケティング」とも言われ、テレビCMや雑誌広告などに代表されるマス・マーケティングの反対に位置しています。

STP分析を実施する前に必要な準備

STP分析を始めるにあたっては、第一に徹底的な事実の把握が重要です。この巧拙で後の戦略検討の精度は決まります。把握すべき事実は以下のとおりです。

(1)顧客の把握

ターゲットとなる市場の顧客ニーズや顧客の数、性別や年代などの顧客の属性等を把握する。

(2)競合の把握

ターゲットとなる市場において、どのような競合プレーヤーが何社存在し、それぞれのシェアがどうで、過去からどのように変化しているのか等を把握する。

(3)自社の把握

過去のデータから実績を分析し、自社の商品・サービスを購入している(興味を持っている)層がどのような人なのかを把握する。

準備段階として必要な作業は以上となります。
ここからは、STP分析の各ステップについて解説していきます。

STP分析<セグメンテーション>:顧客(市場)の性質と規模を把握する

当然ですが、日本中のすべての人に対して商品・サービスをプロモーションしようとすると、広告費はいくらあっても足りません。自社の商品・サービスを効果的に売り込むために、市場を複数の視点で分類し、細分化するのがセグメンテーションです。

セグメンテーション(市場の細分化)

セグメンテーションの作業では、代表的な軸として大きく以下の4つの変数を使って市場全体をセグメントに分けていきます。

1. 地理的変数

地理に関係することでセグメント分けをします。
[チェック項目の例]
地域、人口、発展度、気候、文化、宗教、行動範囲など

2. 人口動態変数

人の属性に関係することでセグメント分けをします。
[チェック項目の例]
年齢、性別、家族構成、職業、所得、学歴など

3. 心理的変数

心理や感性に関係することでセグメント分けをします。
[チェック項目の例]
価値観、ライフスタイル、購買動機、心理的特徴など

4. 行動変数

行動に関係することでセグメント分けをします。
[チェック項目の例]
購買曜日時間帯、購買プロセス、購買メリット、購買頻度、購買態度、購買パターンなど

代表的なものを挙げただけでも上記のように多くの変数があります。しかし、セグメンテーションを行う際に、すべての変数を必ずしも使う必要はありません。

この作業は、ターゲットを決定するために重要なため、入念な調査を行った上で慎重に設定する必要があります。

STP分析<ターゲティング>:自社にとって魅力的な顧客層を特定する

ターゲティング(ターゲットを定める)

セグメンテーションで定められた顧客属性から、自社商品・サービスの機能や価格帯、さらに理念やブランドイメージにマッチしているターゲット顧客を選定します。

例えば

“地方から上京してきた東京で一人暮らしをしている<地域>、20代大学生の女性<人口動態変数>で、友人などから得られる最新の流行を取り入れる性質をもった<心理的変数>、(土日はバイトなので)平日の夕方に予算:5,000円前後の買い物をする層<行動変数>”

を背景に

“20代の一人暮らしの女性”

をターゲットとする、という区切り方でもOKです。

なお、セグメントを1つに絞る必要はありません。また、ここで得られるターゲット顧客像はざっくりとしているので、必要に応じてペルソナを作成することで、Webマーケティングの効果をさらに高めることが可能です。

ターゲティングでは以下の項目をチェックしながら進めてみてください。

[チェック項目の例]
・市場規模:最低限の経済規模は見込めるか。
・市場成長性:成長レベルはどの程度か。
・市場影響力:影響力はどの程度か。波及効果はあるか。
・到達力:見込顧客に到達するプロセスは容易か。
・競合状況:ライバルはいるか。ライバルの状況はどうか。
・効果測定:効果測定を行う環境はあるか。

STP分析<ポジショニング>:市場で自社の特徴を発揮できる立ち位置を見つける

ポジショニング(ポジションを明確化する)

ポジショニングとは、ターゲットと定めた市場において、他社と自社の立ち位置を明確化することです。

ポジショニングをきちんと行うことで、競合に対して自社の優位性が明確となり、顧客に対して訴求すべきポイント(機能性、価格、ブランドイメージ等)を具体化することができます。

具体的には、自社と競合のポジショニングをポジショニングマップという形に落とし込んでいくことで、競合との差別化の方針を明確にしていきます。

ポジショニングマップ

ポジショニングマップは以下の手順で作っていきます。

1. 購買決定に繋がる可能性の高い2つを軸にする

見込み客がターゲット市場で、商品の購入を決める要因を挙げ、重要な2つを縦軸・横軸にします。

2. 競合商品のポジションをマッピングする

ターゲット市場に存在している競合商品・サービスをマッピングしていきます。

3. 自社のポジショニングを考える

ポジショニングを決める際には、競合が少なく自社商品・サービスの優位性が活かせるポジションが空いてないかを検討していきます。また、すでに商品がある場合には、今後の改良の参考にもなります。

<付記>コトラー、6つのポジショニング

最後に、マーケティング専門書で著名なフィリップ・コトラー氏が、書籍「コトラーのマーケティング入門」の中で挙げている、ポジショニングの6つのポイントを紹介します。ポジショニングマップづくりの参考にしてみてください。

“特定の製品属性に基づいたポジショニング”
製品の性能、特性、仕様、価格など

“製品が提供するベネフィットに基づいたポジショニング”
顧客が商品から得られる利益

“製品が使用される機会によってのポジショニング”
製品が使用される場所や環境

“競合製品との関係を使ったポジショニング”
競合製品の特性と絡めた比較

“競合製品と距離を置いたポジショニング”
競合製品にはない、独自性を打ち出し、他とは違うことを認識してもらう

“製品の種類別のポジショニング”
自社商品と関連するカテゴリーごとのポジショニングを考える

ポジショニングでは単一のマッピングをするのではなく以上のような様々な視点から分析し、優位な立ち位置を作り出していくことが大切です。

便利ツール「Googleアナリティクス」で簡単手軽にSTP分析

ご存知の方も多いかもしれませんが、GoogleアナリティクスでWebサイトの解析が可能な状態ならば、すぐにでもSTP分析に役立てることができます。

例えば、「年齢」と「性別」を使い、既存の自社サイトを訪れたことのあるユーザーを分析。コンバージョンしやすい性別と年齢の傾向を推測するといった方法があります。

年齢

Googleアナリティクスの左カラムの「ユーザー」<「ユーザーの分布」<「年齢」

性別

上記と同じく、Googleアナリティクスの左カラムの「ユーザー」<「ユーザーの分布」<「性別」

このように簡単な操作で数値的な検証ができるので、セグメンテーション、ターゲティングの作業で迷うことがなく、容易に進められます。
※Googleアナリティクスは無料で利用できます(2016年11月28日現在)

STP分析は、マーケティング戦略の基盤となるものなので、やることも多く、少々ハードルが高く感じたかもしれません。ですが、ここまで読んで下さった皆様には、その重要性が伝わったかと思います。

何度も繰り返し実践を重ねることでSTP分析のコツが掴めてくることと思いますので、まずは一度チャレンジしてみていただくことをおすすめします。

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