コンテンツマーケティングは「コンテンツの性質と届ける手段」のセットで考えることが大切

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コンテンツマーケティング挑戦者の増加と悩みの変化

日本にコンテンツマーケティングというマーケティング手法が上陸して久しいです。
もはや単なる流行でなく、基本的なマーケティング概念として根付き、言葉自体も市民権を得たといってよいのではないでしょうか。

検索トレンドからもその様子が見て取れ、マーケティングにおいて数年先をいっている米国のそれと比べるとまだまだ今後の拡大が期待されます。


Googleトレンド(https://www.google.co.jp/trends/)を用いた調査。 2016年11月15日時点

先日ヤフー社が1,000社以上を対象に実施したアンケートの結果をみても、過半数の59%がすでにコンテンツマーケティングを実施済みであるという結果が出ています。
更に実施からの経過期間別のデータを見ると、1年以上コンテンツマーケティングに取り組んでいるのが42%、半年以上で60%を超えていることという結果になっています。


参照元:http://web-tan.forum.impressrd.jp/yahooads/2016/02/24/22140#sec01

私たち株式会社ウィルゲートでも数年前からコンテンツマーケティングの支援をはじめていますが、お問い合わせを受ける内容も少しずつ変化しています。
今までは、「何に気をつけてどうスタートしてよいかがわからない」というものであったのに対して最近では、「コンテンツマーケティングが重要ときいてオウンドメディアをつくってみたものの、成果が得られなくて困っている」という声をきくようになりました。

コンテンツマーケティングは正しく時間とコストをかければ投資が資産として蓄積され、効果を生むものですが、一方で多くの企業が求める成果が得られていないのもまた事実です。
本記事では「コンテンツマーケティングでよく陥りやすい失敗パターン」をご紹介し、それを避けるための考え方について解説をさせていただきます。

 

なぜコンテンツマーケティングに失敗するのか?

コンテンツマーケティングについては多くのメディアでその定義や手法の説明が語られています。
本記事ではその定義についての議論は省かせていただきますが、成功のためのコツを簡潔におつたえすると

  1. ターゲットを選定する(ペルソナ選定)
  2. コンテンツを作成する
  3. ユーザーに届ける
  4. 効果を検証する

というフローでしっかりとPDCAを回すことが重要です。
とても簡単そうに見えますが、多くのケースにおいて上記のフローは成立していません。
ではどこでこのフローがストップしてしまうかというと、コンテンツ作成の後、ここにコンテンツマーケティングの落とし穴があります。

多くのユーザーはコンテンツを作った後に「どのようにこのコンテンツをターゲットユーザーに届ければよいか」を考えますがそれではいけません。コンテンツを作成する段階でそのコンテンツをどのようにユーザーに届ければよいのかをセットで考える必要があるのです。

 

コンテンツを届ける手段

ここではオウンドメディアを運営する上でポピュラーな手段である検索、SNS、ネイティブアド(※1)についてご説明します。
※1:ここでは特にレコメンドウィジット型の広告に絞って言及します。

コンテンツを届けるそれぞれの手段は下記4つの要素で評価されます。

  • コスト   = 効果を長期で見た際のコスト
  • 汎用性 = 業種業態を選ぶか
  • トラフィックコントロール = コストに対してのトラフィック量の担保
  • 対象の絞込 = 特定のユーザーへのデリバリー

これらを表にまとめた結果が下記です。

SEO

的確な内部構造と記事単位での検索ニーズのマーケティングを実施することで継続してトラフィックが得られることからコストに優れ、一部の例外をのぞいてすべての業種業態において実施可能。ただし量と読者の絞込などのコントロールは困難。

SNS

フォロワーやファンの獲得にコストがかかるものの、資産として蓄積されるためコスト面にも優れ、対象を絞りこめることが魅力。ただし業種・業態によっては実施が困難な場合もある。

ネイティブアド

1クリック当たりのコストを支払いづつける必要があり継続コストがかかるものの、コスト投下をすれば限られた時間のなかでも決まったトラフィックを得ることができる。
ここでお伝えしたいのでは「どれが一番すぐれた手法なのか」という話でなく、あくまでそれぞれに特性がありそれを理解する必要があるという点です。
ゴルフコースを1本のクラブのみで回るプレーヤーがいないように、そのシチュエーションにあわせた武器の選定力が求められています。

 

コンテンツの性質

あまりききなれない言葉かもしれませんが、コンテンツというものはオンライン/オフラインを問わず、
いくつかの性質で分類することが可能です。
まずはそれを理解するために下記の3つの要素をご紹介します。

 

資産性

時間がたっても価値のある内容であるか、検索エンジンから継続的なトラフィックが望めるかという点で判断します。
例)AKB2015総選挙速報結果・・・時間がたったら価値減。
新米ママのための正しい保育園の選び方・・・ときが経ってもコンテンツ価値が薄れにくい。

 

商品との関連性

その(オウンド)メディアで最終的に成約させたい商品、サービスとの関連性

 

拡散性(共感性)

論理だけでなく、情緒的(面白い・意見したいetc)といった性質を含む。SNSで拡散されるコンテンツ性質。

 

実際のサイトを例に紐解きましょう

ここではオウンドメディアの大成功例として著名な株式会社freeeが運営している「経営ハッカー」を例にコンテンツの性質×届ける手段を分析してみましょう。

分類対象記事

→竹中平蔵というオピニオンリーダーを題材にした記事で拡散性が高いテーマであるが商品との直接的なつながりは薄く、時事ネタであり検索性も高くない。

 

→タイトルからは伝わりにくいですが、板東英二さんの植毛が経費とみなされなくて脱税扱いされたとか、ハズレ馬券は経費扱いになるなど、SNSライクなテーマです。「確定申告」というテーママッチもあるため商品との関連性もあり。
※本来はもっとタイトルもSNSライクに「かつらはOKで植毛はNG!?確定申告時に気をつけたい小話5選」のようにしたほうがよいかもしれませんね。

 

→直接的には税金や確定申告等を扱うテーマではありませんが、ターゲットであるフリーランサーを対象にした記事であり、「コワーキングスペース」等のキーワードで継続的なSEOトラフィックを獲得しています。

 

→永久保存版、の文字からもわかる通りストック性が高い記事。且つ商品とのテーママッチも高い。拡散性については低い。

これを前述のコンテンツの3要素をもとに整理したマトリクスにプロットすると下記のようになります。

これに対して適したコンテンツを届ける手段を更に追加すると、

このようになります。

ストック性が高い記事(④)に対してはSEOで継続的なトラフィックを獲得し、拡散性が高いもの(①,②)に対してはSNSを用いる。ネイティブアドについてはすべてがその対象になり得ますが、コストをかけて拡散するのであれば商品との関連性がある②、④に対して実施。

 

まとめ

いかがでしょうか。

もちろん上記で示した方法が唯一の解釈ではありません。
例えばコンテンツを届ける手段一つとっても本記事ではディスプレイ広告などには言及していません。
本記事を通してお伝えしたかったメッセージは、
コンテンツマーケティングを的確に実施するうえで、コンテンツの性質とそれにマッチしたコンテンツを届ける手段を理解することが非常に重要だということです。

ここでミスマッチを起こしているオウンドメディアは成功から遠のきます。事実巷で噂の成功オウンドメディア達はうまくそれを使いこなしています。
もしあなたが、「コンテンツは追加しているのになかなかトラフィックが増えない・・・」という悩みをもっていらっしゃるようであれば一度上記の考え方で現状を分析していただくことをおすすめします。

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林 圭介[株式会社ウィルゲート 執行役員]
大学卒業後に渡米し建築設計事務所で働くが、その中で出会ったWebのダイナミズムに魅了されWebコンサルタントに転身。中小から大手企業まで、様々なクライアントの制作、マーケティングに携わる。 2013年にウィルゲートに参画。メディアを中心とした新規事業の立ち上げ、及びコンテンツを主体としたマーケティング手法の在り方について研究している。