オウンドメディアをローンチした直後はUUが伸びないため、とにかく集客施策を講じることが重要ですよね。しかし少しずつUUが増えてくると、ファンになってくれた読者が自発的にサイトを訪問してくれるようになるもの。
そんなときに悩みやすいのが「サイトのトップにユーザーが来てくれるのに、全然記事をクリックしてくれない」という問題です。
読者が自分の意思でサイトを訪問してくれるなんて、メディア運営者にとっては夢のような話。時間もコストも労力もかかる集客施策が必要ないのですから。そんなチャンスをみすみす逃すのはもったいないです。
ということで今回は、「クリックされやすい記事タイトルのつけ方」をご紹介します。なお、オウンドメディアの記事一覧ページに既にユーザーが訪問していることが前提条件です。SEO集客を目的としたタイトルのつけ方は、以下の記事でご覧ください。
目次
タイトルタグとディスクリプションを改善して検索順位とCTRを向上させる
タイトルは読むものではなく”見るもの”
紙の世界ではこの限りではありませんが、ウェブの世界ではよくこう語られます。
記事タイトルは読むものではなく”見るもの”。
「えっ、記事タイトル、ちゃんと自分は読んでるよ? 」という方もいらっしゃるかと思うので、実験をしてみましょう。日本人の平均的な読書スピードは1分間でおよそ600文字と言われています。ということは、記事タイトルの平均文字数である30文字を読むのに5秒かかる計算です。
では、実験です。以下の記事一覧ページのキャプチャにあるタイトルを全て見てみてください。
どうでしょうか? いずれのタイトルも、30文字前後の長さですが、一つひとつのタイトルを5秒かけて読んだ方は少なかったのではないでしょうか。
読者にタイトルを”見せる”ために重要なこと
タイトルを”見せる”ために大切なポイントは次の通りです。
ほどよく短いこと
漢字とひらがなのバランスがとれていること
文節の区切りがわかりやすいこと
ほどよく短いこと
オウンドメディアのトップページには、「イチオシ記事」が掲載されていることが多いです。メディアによりますが、その多くが「イチオシ記事として掲載する場合は、必ずタイトルを短くする」というルールを設けています。
平均的に、だいたい15文字程度に抑える傾向にあります。15文字というと、Yahoo!ニュースのタイトルと同じくらいの短さですね。
余談ですが、ニュースのタイトルには著作権がありません。表現の幅がせますぎて、同じトピックをニュースにした際に、別々の媒体なのに全く同じタイトルになってしまうことが考えられるためです。
……話を元に戻しましょう。たとえばプロモニスタの次の記事をイチオシ記事に掲載せねばならず、タイトルを短くしなければならないとします。その場合、次のようになります。
【例1】
「グーグルアナリティクスデータが消失する!5月25日までの対応がマスト必要!?」
→「5月25日〆切 GAデータ消失対策」
【例2】
「情報源として最も信頼しているサイトは?ネット上での情報収集に関する1,000人調査の結果」
→「どのサイトなら人は情報を信じる?」
【例3】
「ターゲットに見てもらえなければ意味がない!コンテンツを拡散する5つの方法」
→「記事を拡散する基本方法5つ」
可読性がぐっと高くなりました。
タイトルを15文字にすると1秒以内で、しかも眼球をほぼ動かさずに読める
「イチオシ」記事のタイトルはなぜ短くしなければならないのか? 結論から言ってしまえば、話は単純明快で「一瞬で読めるから」です。
日本人が文字を読む場合、実は一文字ずつではなく文節ごとに文字を読んでいます。文節とは、意味の最小単位のこと。こう書くと抽象的ですが、ようは文章の途中で「ね」を入れて区切ったものを文節と言います。例えば、芥川龍之介の『羅生門』の冒頭を文節ごとに区切るとこのようになります。「ね」が入る場所ごとに区切ってみました。
或日の / 暮方の / 事で / ある。
一人の / 下人が、 / 羅生門の / 下で / 雨やみを / 待って / いた。
「文字を理解する」ときに使われる視野は、通常生活している中で使っている視野とは異なり「リーディングスパン」と呼ばれます。このリーディングスパンは、日本人の場合だいたい文節2つ分と言われています。
『羅生門』の例を見ても分かる通り、1つの文節がだいたい3~4文字で、理解にかかる時間が平均0.3~0.4秒です。ということは、日本人は文章を読むとき「6~8文字ずつ」を0.6~0.8秒かけて読んでいるという計算になります。よって、次のタイトルはこのように二分割して読まれています。
このようにタイトルを短くすると(1)ほとんど眼球を動かさず、(2)1秒かからずに読めるというメリットがあります。
ウェブの記事タイトルは「いかにユーザーにストレスを感じさせることなく意味を伝えるか」がとても重要です。そのため、このように短く圧縮することが大切です。
漢字とひらがなのバランスがとれていること
次に、漢字とひらがなのバランスも大切です。例えば、先ほどのタイトルを見てみましょう。
もう少しマジメな感じを出したかったら、圧縮後のタイトルをこのようにすることもできます。
しかし、このタイトルだと漢字があまりに多すぎます。ウェブの記事タイトルは読むものではなく”見る”もの。よって、後半に集中している漢字を変更する必要があります。
先ほどのタイトルに比べるとパっと見たときに見やすくなりました。このように、ひらがなと漢字のバランスも整えてあげるとユーザーにとって見やすくなります。
意味の区切りがわかりやすいこと
最後のポイントは「意味の区切りをわかりやすくすること」です。同じタイトルを使って見てみましょう。
このタイトルだと、見た瞬間に「サイト別 情報 信頼度 調査」と意味の句切れを探すことは難しいです。そのため、適度に半角スペースを使って「ここで意味が区切れますよ」と読者に提示することが重要です。
あとは先ほどと同様、漢字が集中しているのでほどよくひらがなやカタカナを入れ、「サイト別 情報の信頼度リサーチ」といった形に仕上げると良いでしょう。
句読点をタイトルに使ってはいけない
なお、区切るために次のように読点を使ってはいけません。
ウェブの記事タイトルは書籍のタイトルと同じで、「文章ではありません」。よって、句読点を使ってはいけないという基本ルールがあります。
もちろん、メディアによっては句読点をタイトルに使用することを許可していることもあります。その場合は次のようなタイトルにすることが正解です。
読天(、)を使ったら、ここで文章が終わりますよという合図である句点(。)も入れなければならないためです。
まとめ
ということで、イチオシの記事にタイトルをつけるときは、「読まれること」ではなく「見られること」に注意してつけてみましょう。その際に大切なことは次の3つです。
ほどよく短いこと(15文字程度がベスト)
漢字とひらがなのバランスがとれていること
文節の区切りがわかりやすいこと
ここまでお読みいただきありがとうございました! せっかく訪問してくれた読者に、よりたくさんの良記事を届けられるよう、ぜひ今日から実践してみてください。
なお、弊社ウィルゲートでは「オウンドメディアの構築・運用支援サービス」や、「高品質な記事作成サービス」をご提供しています。ご興味がある方はお気軽にご相談ください。