今回は「終活」というキーワードをご紹介しつつ、終活と密接な関係のある葬儀社のウェブ集客において、
葬儀社を運営する側の視点から調査しました。
そもそも「終活」とはどういうものなのでしょうか?
ちなみに、「終活」という言葉はご存知でしたでしょうか?
終活(しゅうかつ)とは「人生の終わりのための活動」の略であり、人間が人生の最期を迎えるにあたって行うべきことを総括したことを意味する言葉。主な事柄としては生前のうちに自身のための葬儀や墓などの準備や、残された者が自身の財産の相続を円滑に進められるための計画を立てておくことが挙げられる。
出典:wikipedia
終活という言葉は2010年位から認知されるようになり、検索回数も増加傾向にあります。
※検索回数の動向はGoogleトレンドを用いて調査しています(調査期間:2010年1月~2014年1月)。
亡くなる前に葬儀のことを考えることは多くはないイメージがありましたが、
高齢化が進み、「自分のことは最後まで自分で」という考える方も増えているのでしょう。
「終活」の浸透や、ネットを使いこなす高齢者の増加などで、生前に葬儀の準備をする人の検索ニーズも増加していきます。
ウェブ集客の可能性が更に広がっていきそうな葬儀業界で、
サイトからのお問い合わせを獲得していくためにはどのような戦略が考えられるのでしょうか?
#調査方法
競合分析ツール「SEOカウンセラー:https://www.seo-counselor.jp/」を用いて、
「葬儀 東京」および「葬儀 東京」関連のキーワードでの順位状況や被リンク状況を調査します。
※対象サイトは以下10サイトです。
「葬儀」で検索した際に上位表示されているサイト(2014/4/17現在)
公益社 | https://www.koekisha.co.jp/information/e_tokyo |
エスコート | https://www.escort-ceremony.co.jp |
ダビディア | https://davidear.com |
おぼうさん.com | https://obohsan.com |
東京葬祭 | https://www.tokyo-sousai.co.jp |
なるほどあんしん葬儀 | https://www.naruhodo-sougi.com |
花葬儀 | https://www.hana-sougi.com |
東京葬儀式社 | https://www.tokyo-sougishiki.com |
龍黄社 | https://ryouousha.jp/ |
#調査結果
○キーワード順位
「葬儀 東京」及び「葬儀 東京」の関連キーワードでの検索結果順位一覧です。
「葬儀 東京」で上位になっていても、「葬儀 東京都」では上位表示されていないサイトもあり、
タイトルの付け方の重要性が分かります。
○基本情報
タイトルに「葬儀」「葬式」両方入れたり、地域名を記載したりと、SEOを意識したタイトルとなっていることがわかります。
東京を集客地域とする場合、タイトルは「東京」ではなく「東京都」と記載したほうが、どちらで検索した場合も上位表示される可能性が高まるため、おすすめです。
タイトルやディスクリプションに金額を入れるのはユーザーの目を引きそうです。
※画像が長くなってしまうため、上位5サイトのみ表示しております。
○SEO施策情報
INDEX数の平均は300程度となっています。
被リンク数はサイトによってかなりばらつきがありますが、かなり被リンクの数が多いサイトもあります。
○アンカーテキスト分散
対象サイト (※具体名は伏せさせていただきます) への被リンクのアンカーテキストのデータです。
こちらのサイトは家族葬関連のキーワードで被リンクを多く受けています。
家族葬に力を入れていると考えられます。
※具体的なサイトが特定できるアンカーテキストは伏せています。
調べた結果・気付いた事
- 地域名を含めた検索キーワードで上位表示されているのは、該当地域にある葬儀社のサイトであり、一般認知が高い会社のものから中小企業が運営するものまで様々である
- 葬儀関連の検索キーワードのリスティングは常に上位に表示されているサイトも多く、より上位に表示させるためには莫大な費用が必要となる可能性が高い
- 「葬儀 家族葬 二子玉川」のようなニーズが具体化されているキーワードは、ページのタイトルが最適化されているサイトはあるが、コンテンツが最適化されているサイトはあまりない
- 「葬儀 事前相談」など、終活を行っている方が検索しそうなキーワードは、力を入れている競合も限られているため、狙い目キーワードだと考えられる
調査結果のまとめ・アドバイス
「葬儀 東京」で検索した場合に上位表示されているのは、葬儀社のサイトとなっており、
地域名を含めた検索キーワードの場合、ポータルサイト等より、
該当地域での葬儀を扱っている葬儀社のサイトが高い評価を得ているようでした。
また、葬儀関連のキーワードのリスティングは、上位3位以内をいくつかのサイトで取り合っている状況になっており、
よりユーザーにクリックされやすい位置に表示されるためにはかなりの予算を投下しなければならず、投資対効果のインパクトが薄いです。
葬儀関連のキーワードで費用対効果が高いウェブ集客を行うためには、
自然検索※からの流入を増加させることが重要となります。
※自然検索とは、検索結果画面に表示されるサイト一覧の中で、リスティングなどの広告枠を含まない部分のことです。
自然検索流入を増加させるための一つの案として、ニーズが明確化している3語以上の掛け合わせのキーワードでの集客があります。
今回の調査では検索回数がある程度多い「葬儀 東京」を対象キーワードとしましたが、
より緊急度が高く、問い合わせに繋がりやすいユーザーはさらに細かい地域を指定して検索すると考えられます。
ですから、「葬儀 東京」のような比較的広い範囲より、
「葬儀 浅草橋」などの細かい町名や駅名の方が”アツい”キーワードだと言えます。
しかしながら、問い合わせにつながりやすいキーワードは競合他社も注力しており、
これから上位表示を狙っていくとなると、若干難易度が高いです。
上位表示難易度とお問い合わせ数増加への貢献を考えた場合、
3語以上の掛け合わせのキーワードがおすすめです。
<葬儀関連の3語以上の掛け合わせキーワードの例>
●葬儀or葬式×宗派×地域名
例)「葬儀 神式 円山町」
●葬儀or葬式×葬儀の形式×地域名
例)「葬式 家族葬 茗荷谷」
せっかくキーワードに対応するコンテンツを作成し、サイトに追加しても、
競合性が高く上位表示されなければ、アクセスも問い合わせも増加しません。
現状3語の掛け合わせのキーワードでは、タイトル、コンテンツともに最適化されているサイトはほとんどないため、
これからコンテンツを作り込めば、上位表示されるチャンスは多いにあります。
「コンテンツを作り込む」と言いましたが、噛み砕いて言うと、
「ユーザーの知りたい情報だけを、誰が見てもわかるように記載する」ということです。
料金やプランなどの情報は、サイト内のどこかにまとまっていればそれでいいと思いがちですが、
それは葬儀をどこに頼むかを急いで決めなければいけないユーザーの目線に立てていません。
例えばあなたが初めて訪れたお店で
しかも今まで買ったことのない大きな買い物をしなければならないという状況で、
どこに何があるかよくわからず自分で探さなければいけないとなった場合、ストレスを感じませんか?
葬儀の手配に慣れているという人はほとんどいないため、
ユーザーが自らサイト内を回遊し、必要な情報を取りにきてくれることを期待してはいけません。
どのページからサイトに流入しても、必要な情報にすぐアクセスできるようにページのコンテンツを構成しましょう。
「葬儀 家族葬 円山町」のようにニーズが明確で緊急性の高いユーザーをお問い合わせへ導くために絶対に外せないコンテンツは以下の4つです。
- 費用の目安
- 具体的な斎場の住所と地図
- 利用したお客様の声(ここで大丈夫かな?という不安を払拭するコンテンツ)
- フリーダイヤル、お問い合わせフォームなどの行動喚起
1.費用の目安
葬儀場を探しているユーザーが最も気にする部分です。
目安としていくらかかるのかを明確に記載しましょう。
2.具体的な斎場の住所と地図
費用の目安の次に気にするのは、葬儀場の具体的な場所です。
自宅からどれくらい近いのかを視覚的に把握できるよう、住所の記載に加え、地図でも表示しましょう。
土地勘がある人が見る場合が多いので、簡易化されたイラストの地図よりも
広範囲表示などもできる形式で表示した方がユーザーの利便性が高いでしょう。
3.利用したお客様の声(ここで大丈夫かな?という不安を払拭するコンテンツ)
費用、場所の条件をクリアできれば、後は少し背中を押してあげるだけです。
お客様の声など、第三者からの評価などのコンテンツでユーザーの不安を解消しましょう。
手書きのお客様の声はリアリティがあります。テキストに書き起こすことで、ページのオリジナルコンテンツにもなります。
※検索エンジンの性質上、画像内のテキストを読むことはできないため、テキスト化しないと検索エンジンから認識してもらえません。
4.フリーダイヤル、お問い合わせフォームなどの行動喚起
意外にも多くのサイトが見落としがちなのがこの部分です。
気持ちが高まったユーザーが「ページ遷移することなく」お問い合わせできるということが重要です。
電話、問い合わせフォーム、受付可能な問い合わせ方法をすべて掲載し、
最もストレスが少ない方法をユーザーが選択できるようにしましょう。
それ以外にも、斎場の責任者の写真とともにお客様への思いなどを掲載することでユーザーに信頼感や安心感を与えたり、
斎場内の写真を載せて実際の葬儀のイメージをつきやすくしたり、いろいろなコンテンツが考えられると思います。
上述した4つのコンテンツを、確実に、わかりやすく伝えつつ、
プラスαの情報を提供することで、真にユーザーにとって価値のあるサイトになることができますし、
ユーザーにとって価値のあるサイトは、必ず検索エンジンからも高く評価されます。
本当に上位表示できるキーワード選定×ユーザーにとって価値のあるコンテンツで
まだまだウェブ集客の可能性は広がります。
また、冒頭で「終活」のお話をさせていただきましたが、
今後生前に自分で葬儀の手配をする人も増えてくる可能性があるため、
「葬儀 事前相談」など、ニーズはあるが緊急度は高くないユーザー向けのコンテンツを今から作っておくと、
後々のウェブ集客につながるかと思われます。
以上、葬儀関連キーワードの競合調査をお届けいたしました!
調査ツール紹介
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